ディジタルダウンコンバージョン(DDC)を使用しない全ディジタル位相雑音計測は、近年の高速ADC(アナログ-ディジタル変換器)の進化によって可能になった手法です。

従来の方式では、ミキサや局発(LO)を用いて中間周波数(IF)に落としてから処理していましたが、この手法では信号を直接サンプリング(ダイレクト・サンプリング)し、演算処理のみで位相雑音を抽出します。


1. 基本的な仕組み

DDCを使わない場合、一般的には解析信号(演算による複素変換)と位相検出アルゴリズムを組み合わせます。

信号処理のフロー

  1. ダイレクト・サンプリング: 被測定信号(DUT)をADCで直接デジタル化します。

  2. ヒルベルト変換: 実信号から複素信号(I/Q成分)を生成します。DDCのように周波数を変換するのではなく、位相関係を維持したまま複素平面上のベクトルとして扱います。

  3. 位相復調: 複素信号から瞬時位相 Φ(t) を算出します。通常、以下の計算式を用います。

     
     
  4. 位相アンラップと周波数除去: 位相の不連続点を取り除き、理想的な搬送波成分(線形に増加する位相)を差し引くことで、**位相ゆらぎ(位相雑音成分)**のみを抽出します。

  5. FFT解析: 得られた位相ゆらぎを周波数ドメインで解析し、電力スペクトル密度(PSD)を算出します。


2. なぜDDCを使わないのか?(メリット)

  • ハードウェアの簡素化: アナログのミキサ、フィルタ、外部局発が不要になり、回路起因の雑音や歪みを排除できます。

  • フルバンド解析: 高速ADC(数GHz/s以上)を使用すれば、広帯域な信号を一括で取り込み、エイリアシングを利用したアンダーサンプリング等で高周波まで対応可能です。

  • 誤差の最小化: DDC内のディジタルローカル信号やデシメーションフィルタによる振幅・位相への影響を考慮する必要がなくなります。


3. 性能を左右する要素

DDCを使わない計測において最も重要になるのが、ADC自体の性能です。

要素 影響
サンプリング・ジッタ ADC内部のクロック・アパーチャ・ジッタは、そのまま計測限界(ノイズフロア)となります。
分解能 (ENOB) 量子化雑音が位相雑音の測定感度を決定します。
相互相関 (Cross-correlation) 2つのADCで同時にサンプリングし、相互相関処理を行うことで、ADC自身が持つ雑音を相殺し、測定限界を大幅に向上させることが可能です。

4. 相互相関(Cross-correlation)による高精度化

全ディジタル計測の真価は、2系統の独立したADCを用いた相互相関法で発揮されます。

  1. 信号を2つに分け、それぞれのADCでサンプリングします。

  2. 各系統で独立して位相雑音を算出します。

  3. 2つの結果の相互相関をとることで、各ADCが独立して持つランダムな雑音(熱雑音やジッタ)を平均化により除去し、DUT本来の位相雑音だけを浮かび上がらせます。


次のステップとして、具体的な計算アルゴリズム(ヒルベルト変換の実装法など)や、特定のサンプリングレートにおける測定限界の試算について詳しくお調べしましょうか?

 

 

 

出典:Google Gemini

 

 

PR:

110GHz複素誘電率測定システム – FPOR製品(ネクステム株式会社)と協調してソリューション提供

弊社とネクステム株式会社は、協調して110GHz複素誘電率測定システム(FPOR:FABRY-PEROT OPEN RESONATOR)を提供いたします。   FPORお問い合せ先: ネクステム株式会社 ホームページhttp://www.nextem.co.jp/ Email: info@nextem.co.jp 電話:06-6977-7027 システムカタログ ダウンロード   ネクス[…]

 

  • 10MHz~110GHz誘電率測定セミナ・デモ風景

 

  • QWED社:FPOR:FABRY-PEROT OPEN RESONATOR 

  Dielectric constant:Dk = 1 – 15 (accuracy ± 0.2 %)

  Loss tangent:Df > 5 × 10–6 (accuracy ± 2 %)

 

  • Ceyear社:3674P 10MHz~110GHz VNA ¥47,620,000.~

  1.0mmコネクタケーブルによる直接接続(VNAにエクステンダ不要)

 

 

 

 

 

PR:

・USB VNA

・Coming soon

SDS8000Aシリーズ オシロスコープ

特長と利点
4チャンネル + 外部トリガーチャンネル
アナログチャンネル帯域幅:最大16GHz(8/13/16GHz)
リアルタイムサンプリングレート:最大40GSa/s(全チャンネル同時)
12ビットADC
低ノイズフロア:16GHz帯域幅で176μVrms
SPOテクノロジー
・ 波形キャプチャレート:最大200,000フレーム/秒
・ 256段階の波形輝度と色温度表示をサポート
・ 最大2Gポイント/チャンネルのストレージ容量
・ デジタルトリガー

・Coming soon

SSG6M80Aシリーズ
マルチチャネル・コヒーレント・マイクロ波信号発生器
主な特長
・最大周波数 13.6 GHz/20 GHz
・出力周波数分解能 最大0.001 Hz
・位相ノイズ < -136 dBc/Hz @ 1 GHz、オフセット 10 kHz(測定値)
・コヒーレントモード、搬送周波数 = 10 GHz、周囲温度変動 ±2℃、観測時間 5時間、位相変動 < 1.5°
・チャンネル間の周波数、振幅、位相を個別に調整可能。単一デバイスチャンネル同期および複数デバイスチャンネル位相同期をサポート。位相メモリ機能搭載
・アナログ変調、パルス変調(オプション)

・Coming soon

 

 

SSA6000A Series Signal Analyzer

Main Features
・Measurement Frequency Range: 2 Hz ~ 50 GHz
・IQ Analysis Bandwidth: 1.2 GHz
・Real-time Spectrum Analysis Bandwidth: 400 MHz
・Phase Noise: -123 dBc/Hz @ 1 GHz, 10 kHz offset
・DANL: Less than -165 dBm/Hz
・Demodulation and analysis of signals from multiple mobile communication standards including 5G NR, LTE/LTE-A, WLAN, and IoT, as well as wireless connections.

・Coming soon

 

SNA6000A Series Vector Network Analyzer

Key Features
・Frequency Range: 100 kHz ~ 50 GHz
・Dynamic Range: 135 dB
・IF Bandwidth Range: 1 Hz ~ 10 MHz
・Output Power Setting Range: -60 dBm ~ +20 dBm
・Supports 4-port (2-source) S-parameter measurements, differential (balanced) measurements, time-domain analysis, scalar mixer measurements, etc.
・Optional accessories include electronic calibration kits, switch matrix, and mechanical switches.
・Coming soon

 

 

 

お礼、

T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
欧米計測器メーカーが値上げをする中、(110GHz VNAでは1億円超え)
弊社では若干の値下げをさせていただき、Ceyear社110GHz VNAは5000万円以下です。
高額な設備投資を伴う製品開発では、市場投入までの時間(Time to Market)の短縮、「スピード感」が求められます。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。