6GHz帯無線LAN(Wi-Fi 6E/7)の利用において、現在大きな転換点となっているのが、ご指摘の**6GHz高域帯(6425-7125MHz、U6G:Upper 6GHz)**への拡張です。

これまでの国内運用(5925-6425MHzの500MHz幅)から、さらに700MHz幅を追加し、計1.2GHz幅のフルスペックを利用しようとする動きについて、技術的背景と現状を整理します。


1. 周波数割当の全体像

6GHz帯は、5925MHzから7125MHzまでの広い帯域を指しますが、世界的に「低域(L6G)」と「高域(U6G)」で扱いが分かれています。

区分 周波数範囲 日本の現状 主な検討事項
低域 (L6G) 5925 - 6425 MHz 開放済み Wi-Fi 6E/7(国内320MHz幅×1ch、160MHz幅×3ch)
高域 (U6G) 6425 - 7125 MHz 検討中 WRC-23(世界無線通信会議)での合意に基づく拡張

2. WRC-23による国際合意の影響

2023年末に開催されたWRC-23において、6.425-7.125GHz帯の扱いについて大きな方針が示されました。

  • IMT(国際移動通信)への特定: リージョン1(欧州・アフリカ等)および一部の国々で、この帯域をIMT(5G/6G携帯電話網)として利用することが特定されました。

  • 免許不要局(Wi-Fi等)との共存: 同時に、Wi-Fiなどの「免許不要(License-exempt)」としての利用も否定されておらず、各国が国情に合わせて割り当てを決定できる柔軟性が維持されています。

  • 日本のスタンス: 日本は米国等とともに、Wi-Fi利用の拡張に積極的な立場を取っています。これにより、将来的に日本国内でも1.2GHz幅の連続した帯域がWi-Fiで利用可能になる見通しが強まりました。


3. 高域拡張(U6G)による技術的メリット

6GHz高域帯が開放されることで、Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)のポテンシャルが完全に引き出されます。

  • 320MHz幅チャネルの増設:

    • 現在:5925-6425MHz内では320MHz幅が1つしか取れません。

    • 拡張後:合計で3つの320MHz幅チャネルが確保可能になり、マルチリンク動作(MLO)や干渉回避の柔軟性が飛躍的に向上します。

  • キャパシティの増大: * 特にスタジアム、駅、工場などの高密度環境(Dense Deployment)において、隣接APとの干渉を避けつつ超高速通信を提供できるようになります。

  • 低遅延性の確保: * 帯域が広がることで空きチャネルを見つけやすくなり、CSMA/CAによる待機時間が減少。VR/ARやリアルタイム制御に不可欠な低遅延通信が安定します。


4. RF設計・評価における課題

エンジニアリングの観点からは、高域への拡張は以下の設計・測定難易度の上昇を意味します。

  • 広帯域フラットネスの維持: 5.9GHzから7.1GHzまでの約1.2GHzにわたる広帯域で、PA(パワーアンプ)の利得平坦度や、フィルターの阻止域特性を確保する必要があります。

  • 既存免許局との共存: 6GHz帯上部にも放送用FPU(現場中継装置)や固定無線回線が存在します。SP(Standard Power)モードを導入する場合、前述の**AFC(自動周波数制御)**がこれら高域の免許局も保護対象に含める必要があります。

  • EVM特性: 4096-QAM(Wi-Fi 7)を7GHz近辺で運用する場合、位相雑音の影響がより顕著になります。クロック源のジッタ抑制や、VNAを用いた精密なSパラメータ測定(特に広帯域な群遅延特性の評価)がより重要になります。

日本の総務省における作業部会でも、この高域開放に向けた技術基準の策定が進められており、遠くない将来にWi-Fi 7の「真の姿」が国内で解禁されると期待されています。

 

下記資料では「6GHz高域帯(6425-7125MHz)への周波数拡張」について詳しく解説されています。
https://www.soumu.go.jp/main_content/001068354.pdf

 

 

 

 

 

出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)

 

 

 

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