佐賀大学(嘉数誠教授らのチーム)と、精密宝石加工の老舗であるOrbray(オーブレイ)株式会社(旧アダマンド並木精密宝石)の連携は、ダイヤモンド半導体を「理論上の夢」から「実用可能な工業製品」へと引き上げた、世界で最も注目されるプロジェクトの一つです。

2026年現在、この連携による開発は「研究室レベル」を脱し、いよいよ量産と社会実装のフェーズに突入しています。


1. 何を解決したのか?(Orbrayの凄さ)

ダイヤモンド半導体の最大の壁は「大きな単結晶ウェーハが作れない」ことでした。Orbrayはこの課題に対し、独自の「ヘテロエピタキシャル成長法」を用いて突破口を開きました。

  • 大口径化の成功: サファイア基板の上にダイヤモンドの薄膜を成長させる技術(マイクロニードル法など)を駆使し、世界に先駆けて2インチ(約50mm)ウェーハの量産技術を確立しました。

  • 2026年の目標: 現在はさらに大きな4インチ化や、特定の結晶面(111面)を持つ大型基板の製品化、さらにはダイヤモンドデバイスのサンプル製造・販売の開始(2026年1月〜)を公表するなど、産業化を急ピッチで進めています。

2. 世界初を連発する佐賀大学のデバイス技術

Orbrayが作った高品質な「板(ウェーハ)」を使い、佐賀大学の嘉数教授らは「動くデバイス」として世界最高性能を次々と塗り替えています。

  • 世界最高の出力電圧: 2025年末には、デバイスの耐電圧を4,266Vまで高めることに成功。これはSiCなどの競合材料を凌駕する数値です。

  • 長時間動作の実証: かつて「ダイヤモンドは劣化が早い」と言われていましたが、190時間以上の連続動作でも劣化しないことを世界で初めて証明し、実用性を担保しました。

  • パワー回路の駆動: デバイス単体だけでなく、実際に電気を制御する「パワー回路」として動かしたのも、このチームが世界初です。


3. 社会実装のターゲット(どこで使われるか)

このタッグが狙っているのは、シリコンでは不可能な「極限環境」です。

  1. 宇宙・防衛:

    人工衛星の通信機(真空管を置き換える小型・高出力増幅器)。ダイヤモンドは放射線に強いため、宇宙空間でも壊れません。

  2. Beyond 5G / 6G:

    テラヘルツ帯に近い超高周波の通信基地局。熱を持ちやすい高周波デバイスにおいて、ダイヤモンドの放熱性が決定的な強みになります。

  3. 福島第一原発の廃炉ロボット:

    高放射線環境下でも動作するカメラやセンサー、通信機器。

  4. 電力インフラ:

    次世代の送電網(スマートグリッド)など、超高耐圧が求められる電力変換器。


4. ダイヤモンドセミコンダクター社

この研究成果を社会に届けるため、佐賀大学発のベンチャーとして「ダイヤモンドセミコンダクター」も設立されています。Orbrayが基板(材料)を供給し、同社がデバイス設計やアプリケーション開発を担うという強力なエコシステムが形成されています。

 

5.その他の関連ベンチャー・動き

佐賀大学のパワー半導体研究は、いくつかのベンチャーや企業共同研究につながっています。
  • Power Diamond Systems(PDS): 早稲田大学発ベンチャーですが、佐賀大学の嘉数教授の研究成果(ダイヤモンド半導体)を社会実装する組織として連携している。
  • その他共同研究パートナー: ダイヤモンド半導体は、住友電気工業やアライドマテリアルなど、大手企業とも研究・開発が進められている分野。

 

補足: 日本はこの分野で「材料(Orbray/EDPなど)」「装置(精密研磨)」「回路設計(佐賀大)」のすべてにおいて世界トップクラスの技術を保持しており、ダイヤモンド半導体は日本の半導体産業が再び世界をリードするための「切り札」と目されています。

 

 

下記資料では「ダイヤモンドウェハの量産技術開発」について詳しく解説されています。

https://orbray.com/magazine/archives/1598

 

出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)

 

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