米国NASDAQ市場に上場しているエバースピン・テクノロジーズ(Everspin Technologies, Inc. / ティッカー:MRAM)は、パワースピン社のビジネスやMRAM市場の将来性を占う上で、極めて重要な「世界唯一のスタンドアロン(単体)MRAM専業の上場企業」です。
同社の市場での位置づけ、最新の業績動向(2026年現在)をまとめました。
🔬 エバースピン社(MRAM)の基本プロファイル
モトローラ(Motorola)の半導体部門からスピンオフしたフリースケール・セミコンダクタ(Freescale)を母体とし、2008年に独立。2016年にNASDAQ市場へ上場しました。
パワースピン社が「ロジック回路とMRAMを同一チップに載せるIP(知的財産)ライセンス」を主軸にしているのに対し、エバースピン社は「MRAM単体のメモリチップ(ディスクリート半導体)」を自社ブランドで製造・販売するスタイルで成長してきました。主な用途は、産業機器、車載(レースカーや制御系)、データセンターのキャッシュメモリ、航空宇宙など、絶対的な信頼性と高速書き換え、データ不揮発性が求められる領域です。
📈 直近(2026年現在)の業績と株価トレンド
2026年に入り、エバースピン社はビジネスの大きな転換期を迎えており、株式市場でのボラティリティ(値動き)が急激に高まっています。
1. 防衛・政府系メガ案件の獲得(2026年4月)
2026年4月末、同社は2.5年間で総額4,000万ドル(約60億円以上)に及ぶ大規模な防衛関連のサブコントラクト(下請け軍事契約)を締結したことを発表しました。このニュースにより、年初に10ドル前後だった株価は一時50ドルを超える水準まで急騰し、時価総額も一時7億ドル(約1,100億円)を突破するなど、市場から猛烈な注目を浴びました。
2. 直近の財務データ(2026年第1四半期決算)
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四半期売上高: 1,487万ドル(前年同期比約14%増、アナリスト予想を上回る)
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製品売上(内訳): 売上の大半(1,410万ドル)がMRAM製品そのものの販売によるもの。ライセンス・ロイヤリティ収入は0.8万ドルと、現状は製品販売依存型です。
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粗利益率(Non-GAAP): 52.7% と非常に高いマージンを維持(工場の高稼働率と製造イノベーションが寄与)。
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EPS(1株当たり利益): $0.11(Non-GAAPベースで黒字維持)
3. 短期的なリスクと空売りレポート(2026年5月)
株価の急騰を受け、2026年5月中旬に有名著名ショートセラー(空売り投資家)の「Kerrisdale Capital」が同社に対するショートレポートを開示したほか、経営陣による一部利益確定売りが観測されたことで、株価は足元で26ドル近辺まで調整しています。また、知財・特許維持に伴う訴訟費用(Litigation costs)の増加が、一時的にGAAPベースの純利益を圧迫する見通し(Q2は一時的にGAAPベースで赤字ガイダンス)となっています。
🤝 パワースピン社(東北大発)との決定的な違い
同じ「MRAM」を扱う企業ですが、ビジネスモデルのアプローチが対照的です。
| 比較項目 | Everspin(米国上場) | パワースピン(東北大発・未上場) |
| ビジネスモデル |
製品販売型(IDM/ファブライト) 自社ブランドのMRAMチップを製造・販売。 |
IPライセンス型(ファブレス) MRAMとロジックを混載する設計資産(PDK等)をライセンス提供。 |
| 主戦場 |
スタンドアロンメモリ SRAMや高信頼性EEPROMの置き換え。 |
Hybrid LSI(ロジックインメモリ) CPUやAIアクセラレータ内部の省電力化。 |
| 製造インフラ | 主に米GLOBALFOUNDRIES等のファウンドリを利用。 | 東北大CIESの300mmラインをマザー工場とし、大手ファウンドリへ移植。 |
💡 投資家目線でのシナジー
エバースピン社が2026年現在、「防衛・産業・データセンター」というミッションクリティカルな実需市場でMRAMの価値を証明し、売上を伸ばしていることは、パワースピン社が将来IPOする際の**「MRAM市場そのものの実在証明(TAMの裏付け)」**としてポジティブに働きます。
パワースピン社が目指す「ロジック混載」は、エバースピンがカバーする単体メモリ市場よりもさらに桁違いに大きい「プロセッサ・AIチップ市場」をターゲットにしているため、上場時の期待値はさらに高くなる可能性があります。
出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)
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