DSOオシロスコープとは?
DSO(Digital Storage Oscilloscope/デジタル・ストレージ・オシロスコープ)とは、電気信号の電圧波形を時間軸で表示・記録できるデジタル型オシロスコープのことです。
従来のアナログオシロスコープに代わって、現在ではほとんどの製品がこのDSOタイプとなっています。
DSOの基本機能と特長
DSOオシロスコープの主な特長は以下のとおりです。
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波形のデジタル記録:観測した信号波形をメモリに保存し、後から解析や比較が可能
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高いサンプリングレート:数百MSa/s〜数GSa/sの高速サンプリングが可能
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波形解析機能:FFT(周波数解析)、波形平均、測定自動化、リミットテストなどを搭載
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マルチチャンネル対応:2ch〜4chが一般的、複数信号の同時観測が可能
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PCとの連携:USB・LAN・HDMI等を通じた通信や制御に対応する製品も多数
アナログとの違い
項目 | DSO(デジタル) | アナログオシロスコープ |
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波形表示 | デジタル画面(LCD等) | ブラウン管(CRT) |
記録・保存 | 可能(内蔵メモリ・USB等) | 不可 |
波形解析 | 自動測定・FFT可能 | 基本的に手動解析 |
サンプリング方式 | デジタルサンプリング | アナログ連続信号 |
現在ではアナログ型はほとんど生産されておらず、「オシロスコープ」と言えばDSOというのが主流です。
DSOオシロスコープの選び方
以下のポイントを基準に選定すると、自分に合ったモデルを見つけやすくなります。
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帯域幅:測定対象信号の5倍以上を目安に(例:100MHz、200MHz、500MHz)
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サンプリング速度:高速信号なら1GSa/s以上推奨
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チャンネル数:1ch〜4ch(同時測定の必要性に応じて)
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メモリ長:長波形観測には深いメモリが有利
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インターフェース:USB、LAN、Wi-Fi、HDMIなどの外部接続
DSOの代表的なモデル例(教育・開発向け)
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SIGLENT SDS1000X-Eシリーズ
高速サンプリング&多機能、エントリーから中級者までカバー -
OWON SDS1000シリーズ
コスト重視の教育・学習向けモデル。国内でも人気 -
Micsig TOシリーズ(タブレット型)
タッチ操作に対応し、直感的で見やすい設計
まとめ:DSOオシロスコープは「現代の標準」
「DSO オシロスコープ」という言葉は、アナログ時代と区別する意味で今なお使われますが、現在販売されているオシロスコープのほぼすべてがDSOタイプです。
高精度な測定から教育用途まで、多くの選択肢と価格帯があり、ニーズに合わせた導入が可能です。