スペクトラム・アナライザ(スペアナ)は、内部にミキサやローカル発振器(LO)を持つ受動的な受信機ですが、実際には入力ポートから微弱な信号が「逆流」して出力されることがあります。これがLOリーケージおよびIFリーケージです。

特に、DUT(被測定デバイス)がアンテナや高利得アンプの場合、このリーケージが測定誤差やシステムへの干渉を引き起こすため注意が必要です。


1. LOリーケージ (LO Leakage)

スペアナ内部の第1ローカル発振器(LO)の信号が、ミキサのアイソレーションを抜けて入力端子(RFポート)から漏れ出す現象です。

  • 発生のメカニズム: ヘテロダイン方式のスペアナでは、入力信号と内部LOをミキサで混合します。ミキサのRF-LO間のアイソレーション(分離度)は無限ではないため、LO信号の一部がRFポート側へ回り込み、そのまま入力コネクタから外部へ放射されます。

  • 影響: * DUTへの干渉: アンプやミキサなどの能動素子を測定している場合、漏れたLO信号がDUTの動作点に影響を与えたり、相互変調歪みを生じさせたりすることがあります。

    • アンテナ放射: アンテナを直接接続している場合、不要放射として電波法上の問題になる可能性があります。


2. IFリーケージ (IF Leakage)

内部の中間周波数(IF)信号、または第1ミキサで生成されたIF成分が逆流して入力ポートから漏れる現象です。

  • 発生のメカニズム: LOリーケージと同様に、ミキサのRF-IF間のアイソレーションを抜けて発生します。通常、第1 IFは非常に高い周波数(例:数GHz帯)に設定されているため、フィルタで抑制されますが、完全にゼロにはなりません。

  • 影響: * LOリーケージに比べるとレベルは低いことが多いですが、高感度なレシーバを測定対象にしている場合にノイズフロアの上昇を招くことがあります。


3. 回避策と注意点

これらのリーケージは、スペアナの構造上不可避なものですが、以下の方法で軽減・対処が可能です。

外部アイソレータ・減衰器の使用

  • アッテネータ (ATT): 入力ポートに10dB程度のアッテネータを挿入すると、スペアナから出るリーケージ信号は10dB減衰してDUTに届きます。

  • アイソレータ: 特定の周波数範囲であれば、アイソレータを挿入することで逆方向の信号(リーケージ)を大幅にカットできます。

測定系での考慮

  • DCブロック: リーケージ自体はRF信号ですが、バイアス回路を持つDUTを測定する際は、予期せぬ不整合による反射を防ぐためにもDCブロックの併用が一般的です。

  • プリアンプの有無: スペアナ内蔵のプリアンプをONにすると、プリアンプの逆方向アイソレーションにより、LOリーケージが劇的に抑圧される機種が多いです。

規格値の確認

多くのスペアナのデータシートには、"Residual Responses"(残留レスポンス)や "LO Emissions" といった項目で、入力ポートからの漏洩レベルが規定されています(例:<-70 dBmなど)。精密な測定を行う場合は、事前にこの値を確認しておくことが重要です。

 

 

 

出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)

 

 

 

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