WR90(Xバンド:8.2 GHz ~ 12.4 GHz)の導波管校正は、同軸ケーブルのような「中心導体」が存在しないため、物理的な基準面の定義がより厳格かつ明確になります。
同軸における「ショート、シム、終端」の議論を導波管に置き換えると、以下の構成が標準的です。
1. 導波管校正の三種の神器
導波管校正では、コネクタの代わりに**「フランジ面」**が基準面(Reference Plane)となります。
-
ショート(Short / Offset Short):
フランジ面に直接取り付ける金属板(Shorting Plate)です。導波管内を伝送してきた電磁波を完全に反射させます。
-
Offset Short: 特定の厚みを持つ導波管スペーサー(シム)を挟んでからショート板を当てます。これにより、異なる位相での反射データを得て、校正の精度(特にダイレクト・アイソレーション)を高めます。
-
-
シム(Shim / Spacer / Offset):
WR90の断面形状を持つ、精密に加工された厚みのあるプレートです。
-
役割: 導波管内での「λ/4(4分の1波長)」などの特定の電気長を与えます。
-
1/4波長シムの重要性: 導波管校正では、Open(開放)を作るのが難しいため(フランジを開放するとアンテナのように放射してしまい、反射係数が安定しない)、ショートと「λ/4ずらしたショート」を組み合わせて、実質的なOpen状態を擬似的に作り出します。
-
-
終端(Fixed Load / Sliding Load):
導波管の内部に電波吸収体を配置したものです。
-
Fixed Load: 固定式の無反射終端。
-
Sliding Load: 吸収体をネジで前後にスライドさせられるタイプ。導波管では反射ゼロを定義するのが難しいため、吸収体を動かして「残留反射のベクトル」を描き出し、その中心を真のゼロ点として算出する手法が一般的です。
-
2. WR90における主要な校正手法
導波管測定では、同軸で一般的なSOLTよりも、以下の手法が精度面で推奨されます。
TRL (Thru-Reflect-Line) 校正
導波管において最も高精度とされる手法です。
-
Thru: フランジ同士を直接接続(長さゼロの基準)。
-
Reflect: 両ポートにショート板を接続。
-
Line: **「シム(精密導波管スペーサー)」**を挿入。このシムの特性インピーダンス(導波管の寸法)が測定の基準となります。
SSLT (Short-Short-Load-Thru) 校正
Openが使えない導波管特有の手法です。
-
ショート、および長さの異なるオフセット・ショート(シムを使用)を用いて、反射特性を確定させます。
3. WR90(Xバンド)特有の注意点
-
フランジの合わせ精度:
WR90の場合、ボルト穴のわずかな遊び(ガタ)が、E面・H面のズレとなり、測定結果にリプルや損失として現れます。アライメントピン(ダボ)付きの高精度フランジを使用しているかどうかが重要です。
-
周波数依存性:
導波管には「遮断周波数(カットオフ)」があるため、低域側での測定には注意が必要です。WR90であれば 8.2 GHz 未満は測定できません。
-
シムの厚み計算:
導波管内の波長(管内波長:λg)は、自由空間の波長とは異なります。シム(1/4波長など)を選定する際は、使用する周波数における λgを正確に計算する必要があります。

※ a は導波管の幅(WR90なら 22.86 mm)
4. METAS VNA Tools の活用
導波管校正こそ、METAS VNA Tools の本領発揮です。導波管の寸法公差(製造誤差)が不確かさにどう影響するかをモデル化できるため、メカニカルキットの限界を超えた評価が可能になります。
「スペアナのリーケージ」をオシロで確認されるような精密な環境であれば、導波管接続部のわずかな「隙間」や「ズレ」が放射ノイズとなって外部に漏れ、隣接する機材に干渉するリスクも考慮すべきかもしれません。
WR90での測定対象は、ホーンアンテナや導波管フィルタといったコンポーネントでしょうか?それとも同軸・導波管アダプタを介した評価でしょうか?
出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)
PR:
SMM3000Xシリーズ 高精度ソースメジャーユニット・表示桁数:6½桁(2,100,000カウント) ・SMM3311X(1ch) / SMM3312X(2ch) ・価格:90万円~ |
|
|
・USB VNA |
・Coming soon |
![]() |
SDS8000Aシリーズ オシロスコープ 特長と利点 ・Coming soon |
![]() |
SSG6M80Aシリーズ ・Coming soon
|
![]() |
![]() |
![]() |
SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features ・Coming soon
|
![]() |
SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features
|
お礼、
T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。



















T&M
即納ストア