2nm世代のロジック半導体において、長年業界を支えてきたFinFET(フィンFET)構造はついに物理的な限界を迎え、GAA(Gate-All-Around)構造、その中でも特にナノシートFET(NSFET: NanoSheet FET)への歴史的な移行が完了しました。
ラピダスが北海道千歳市で量産を目指している2nmチップの心臓部も、まさにこのナノシート構造です。この技術の「構造的な必然性」と「製造プロセスの極限難度」を掘り下げます。
📐 FinFET から ナノシートFET(GAA)への進化
半導体の微細化とは、つまるところ「ゲート(Gate)によって、いかに電流(Channel)を完全にコントロールし、リーク電流(漏れ電流)をゼロに近づけるか」の歴史です。
-
FinFET(3面制御): 魚のヒレ(Fin)のような立体的なチャンネルを、ゲートが「上・左・右」の3面から包み込む構造です。3nm世代まではこれで持ちこたえましたが、2nm以下になるとフィンが薄くなりすぎて、ゲートの支配力が及ばない「底面(基板側)」からのリーク電流が無視できなくなりました。
-
ナノシートFET(4面全周囲制御): チャンネルを細い「シート状(板状)」にして完全に宙に浮かせ、ゲートが「上・下・左・右」の4面すべて(All-Around)を完全に包み込む構造です。これにより、ゲートによる電流制御性が極限まで高まり、微細化しても圧倒的な省電力化(スタティックパワーの削減)が可能になりました。
🛠️ ナノシートFETの構造的メリット
-
デザインの柔軟性(シート幅の自由度)
従来のFinFETは、電流を増やしたい場合「フィンを1本、2本……」と整数倍でしか増やせませんでした(ディスクリートな設計)。しかしナノシートは、リソグラフィによってシートの「幅(Width)」を自由に調整可能です。高い電流駆動力がほしい領域(HPC/AI向け)には幅広のシートを、省電力を極めたい領域(モバイル向け)には細いシートを配置する、といった柔軟な設計が同一チップ内で可能です。
-
高い駆動電流(ショートチャネル効果の抑制)
シートを縦に複数枚(通常3〜4枚)スタックすることで、平面的な面積を占有することなく、実効的なチャンネル幅($W_{eff}$)を稼ぐことができます。
🔬 2nmナノシート製造の「極限プロセス」
このナノシートを12インチ(300mm)ウエハ上で均一に、かつ欠陥なく作るプロセスは、現代のナノテクノロジーの結晶であり、先述したRHEED(反射高速電子線回折)レベルの原子層制御が必要とされる理由がここにあります。
1. Si / SiGe の超格子エピタキシャル成長(原子層制御)
まず、シリコン基板上に、犠牲層となるシリコンゲルマニウム($Si_{1-x}Ge_x$)と、実際のチャンネルとなるシリコン($Si$)を、ナノメートル単位の厚みで交互にエピタキシャル成長させます(これを超格子構造と呼びます)。
ここで原子1層分でも厚みが不均一になると、最終的なトランジスタのしきい値電圧($V_{th}$)がバラつき、動作不良を起こします。
2. チャンネル解放(ナノシート・リリースエッチング)
ゲートを全周囲に回り込ませるため、先ほど交互に積んだ層から$SiGe$(犠牲層)だけを等方的に選択エッチングし、$Si$のナノシートだけを「宙に浮かす(リリース)」という神業的な工程を行います。
-
課題: $Si$を1オングストローム($0.1\text{ nm}$)も傷つけることなく、$SiGe$だけをきれいに抜かなければなりません。さらに、乾燥時に液体(リンス液)の表面張力で浮いたシート同士がくっついてしまう「パターン倒壊(スティクション)」を防ぐため、超臨界流体(超臨界$CO_2$)を用いた特殊な乾燥技術などが必須となります。
3. インナースペーサ(Inner Spacer)の形成
シートとシートの隙間に、高精度に横方向(ラテラル)からエッチングを行い、極薄の絶縁膜(インナースペーサ)を配置します。これは、ソース/ドレインとゲート間の「寄生容量」を削減するためのもので、2nmの性能を引き出すための隠れた最難関工程の1つです。
4. 高誘電率ゲート絶縁膜(High-k)の全周囲ALD
宙に浮いた極小のシート間の隙間(わずか数ナノメートル)に、原子層堆積(ALD: Atomic Layer Deposition)技術を用いて、ハフニウム系などのHigh-k(高誘電率)膜とゲート金属を裏側まで一分子層ずつ均一にコーティングしていきます。
💡 技術のつながり
2nm世代のナノシートFET(GAA)は、前工程における**「原子層レベルの結晶成長(RHEEDでのインサイチュ計測が活きる領域)」と「極限の等方的ドライエッチング」**があって初めて成立します。
そして、こうして苦労して作り上げた2nmのチップを、性能を落とさずにシステムへ組み込むために、中工程・後工程での 「Wafer-Level RDL」 や 「チップレット(先進パッケージング)」、それを支える旭化成の 「PIMEL™ / GliCAP™」 といった低ストレス材料が、バトンを繋ぐようにして1つのAIシステム(Blackwellやラピダスの次世代チップなど)を形作っています。
出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)
参考:The 2026 IEEE 76th Electronic Components and Technology Conference
https://ectc.net/
PR:Micsig 3rd Generation Optical Isolated Probe ~20kV
https://www.micsig.com/list/546
PR:
SMM3000Xシリーズ 高精度ソースメジャーユニット・表示桁数:6½桁(2,100,000カウント) ・SMM3311X(1ch) / SMM3312X(2ch) ・価格:90万円~ |
|
|
・USB VNA |
・Coming soon |
![]() |
SDS8000Aシリーズ オシロスコープ 特長と利点 ・Coming soon |
![]() |
SSG6M80Aシリーズ ・Coming soon
|
![]() |
![]() |
![]() |
SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features ・Coming soon
|
![]() |
SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features
|
お礼、
T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。



















T&M
即納ストア