CoWoP(Chip on Wafer on PCB)とは、次世代のAI半導体やHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)向けに研究・開発が進められている最新の2.5次元(2.5D)先進パッケージング技術の一種です。

現在、NVIDIAのBlackwellなどのAIアクセラレータで主流となっているTSMCのCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)の派生・発展形として提案されました。

一言で言えば、「高コストな有機パッケージ基板(ABF基板)を完全に排除し、チップを載せたインターポーザを直接PCB(プリント配線板)に実装する」という画期的なコンセプトです。

💡 CoWoSとの構造的な違い

従来のCoWoSと、新たなCoWoPの階層構造を比較すると、その違いが明確になります。

階層 従来の CoWoS(~Substrate) 新技術 CoWoP(~PCB)
L1(トップダイ) GPU、CPU、HBM などのベアチップ GPU、CPU、HBM などのベアチップ
L2(中間層) シリコン等のインターポーザ(TSV・微細配線) シリコン等のインターポーザ(TSV・微細配線)
L3(パッケージ基板) ⚠️ ABF/BT等の有機ICサブストレート (完全に排除)
L4(主基板) マザーボード(通常システムPCB) プラットフォームPCB(高精度再配線層を内蔵)

従来のCoWoSでは、インターポーザ(L2)と主基板(L4)の間に「ABF基板(L3)」を挟んでBGA(ボール・グリッド・アレイ)で接続していました。CoWoPでは、このL3のABF基板とBGAを丸ごとスキップし、L2をL4(PCB)に直接ダイ・オン・ボード(Die-on-Board)実装します。

🚀 CoWoPがもたらす3つのメリット

  1. 劇的なコスト削減(40~50%の削減ポテンシャル)

    AI半導体の大型化・高性能化に伴い、パッケージ基板(ABF基板)は層数が増え、面積も巨大化し、コストが跳ね上がっています。この高価な半導体サブストレートを不要にし、大型パネルで量産効果の高いPCBプロセスに置き換えることで、製造コストを大幅に引き下げられます。

  2. 信号遅延の低減と電力効率の向上(SI / PIの改善)

    パッケージ基板という「中継地点」が1つ消えるため、チップからマザーボードへの信号経路(伝送路)が最短になります。これにより寄生容量やインダクタンスが減少し、信号整合性(Signal Integrity)と電源整合性(Power Distribution Integrity)が向上します。

  3. 熱管理(放熱性能)の向上

    構造が薄くなる(薄型化)ため、チップで発生した熱を効率よくヒートスプレッダや基板側に逃がすことが可能になり、システム全体の熱抵抗を下げられます。

🛠️ 実用化に向けた現在の技術的ハードル

非常に魅力的なコンセプトですが、現在の電子基板の製造技術から見ると、クリアすべき大きな壁が存在します。

  • PCB側に求められる「半導体並み」の超微細配線(L/S)

    従来の高性能ABF基板は、配線のライン&スペース(L/S)が数マイクロメートル(μm)レベルです。一方、現在の最先端HDI(高密度相互接続)基板やmSAP(モディファイド・セミアディティブ・プロセス)を用いた超ハイエンドPCBでも、L/Sは20/35μm程度が限界です。CoWoPを成立させるには、これを10/10μm以下へと微細化する必要があり、PCBメーカーには半導体クリーンルームレベルの超高精度な製造・検査装置(外観検査装置など)が求められます。

  • 反り(ウォーページ)と材料の熱膨張マッチング

    大型のPCBパネルの上に、熱膨張係数(CTE)の異なるシリコンインターポーザやHBMを直接高密度に接合するため、熱がかかった際のはんだ接合部のストレスや、基板全体の「反り」をどのように制御するかが極めて困難な課題です。

🧐 まとめ

CoWoPは、これまで明確に分かれていた「半導体パッケージング(後工程)」と「PCB(プリント基板製造)」の境界線を融合させる、システムレベルのパッケージング革新です。

現在はNVIDIAなどのファブレス巨頭やTSMC、主要OSAT(半導体後工程の受託製造企業)がロードマップの先に見据えて技術探索を行っている段階であり、中長期的(数年内)なマスプロダクションに向けて材料・装置のサプライチェーン全体で技術開発が進められています。

 

 

 

 

出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)

 

 

 

参考:The 2026 IEEE 76th Electronic Components and Technology Conference

 

 

https://ectc.net/

 

 

 

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