高周波(RF)回路や基板設計などでよく使われる SパラメータZパラメータYパラメータ は、いずれも 「回路(ネットワーク)の入出力特性(信号がどう伝わるか・どう反射するか)を数値で表した指標」 です。

VNA(ベクトル・ネットワーク・アナライザ)で測定する際、それぞれ以下のような特徴と役割を持っています。

 

1. 概要と違いのまとめ

パラメータ 正式名称 主な用途・得意分野 高周波(VNA)での扱い
Sパラメータ Scattering (散乱) 高周波全般・VNAの直接測定 標準(反射と透過で評価)
Zパラメータ Z (インピーダンス) 直列接続の合成・電源系(PDN) Sから変換して利用
Yパラメータ Y (アドミタンス) 並列接続の合成・トランジスタ解析 Sから変換して利用

 

2. それぞれのパラメータの詳細

① Sパラメータ (Scattering Parameters / 散乱パラメータ)

高周波回路において 最も標準的に使われるパラメータ です。

  • 考え方: 電圧や電流を直接測るのではなく、「進む波(進行波)」と「跳ね返る波(反射波)」の比率 で回路特性を表します。

  • VNAとの関係: VNAが直接測定するのは、基本的にこのSパラメータです。

  • 表記の意味(例: S11, S21):

    • S11(入力反射係数): ポート1に入力した信号が、どれくらいポート1に戻ってくるか(反射率)。※リターンロスやVSWRの評価に使います。

    • S21(順方向透過係数): ポート1に入力した信号が、どれくらいポート2へ伝わるか(透過率)。※ゲインや挿入損失(インサーションロス)の評価に使います。

  • なぜ高周波で使うのか?:

    高周波(GHz帯など)では、回路の端子を完全に「開放(オープン)」または「短絡(ショート)」させることが物理的に困難(寄生容量や寄生インダクタンスで波形が乱れる)です。Sパラメータは、50Ωなどの標準インピーダンスで終端した状態で測定できるため、最も正確で扱いやすいというメリットがあります。

② Zパラメータ (Impedance Parameters / インピーダンスパラメータ)

回路の インピーダンス(電圧 ÷ 電流) をベースにした指標です。

  • 考え方: 各ポートに電流を流したときに、どれだけの電圧が発生するかを表します。

  • 特徴: 回路同士を 直列接続(シリーズ接続) するときに、各回路のZパラメータを足し算(加算)するだけで全体の特性が計算できます。

  • 主な用途:

    • 電源分配ネットワーク(PDN)の評価(プリント基板の電源ラインの低インピーダンス化)

    • フィルタ回路やアンテナのマッチング回路の設計

③ Yパラメータ (Admittance Parameters / アドミタンスパラメータ)

インピーダンスの逆数である アドミタンス(電流 ÷ 電圧) をベースにした指標です。

  • 考え方: 各ポートに電圧をかけたときに、どれだけの電流が流れるかを表します。

  • 特徴: 回路同士を 並列接続(パラレル接続) するときに、各回路のYパラメータを足し算(加算)するだけで全体の特性が計算できます。

  • 主な用途:

    • トランジスタやFETなどの小信号等価回路モデルの解析

    • 並列エレメント(寄生容量など)が含まれる回路の評価

 

3. VNA(ネットワーク・アナライザ)での扱い方

VNAは内部で高周波の波を測定するため、測定の根本はSパラメータで行います。

しかし、現代のVNAの多くは内部で数学的な変換式(行列計算)を持っているため、以下のように表示を切り替えることができます。

VNAでSパラメータを測定 → (内部演算で変換) →Zパラメータ / Yパラメータとしてグラフ表示
  • インピーダンス解析をしたい場合: VNAの表示モードを「S11」から「Z (インピーダンス)」に変更すると、Z = 50 x (1 + S11)/(1 - S11) などの計算が自動で行われ、画面上にインピーダンス(Ω)としてプロットされます。

 

まとめ

  • 高周波の信号伝送や反射を評価したい: Sパラメータ

  • 回路部品の直列合成や電源のインピーダンスを見たい: Zパラメータ

  • 回路部品の並列合成やアドミタンスを見たい: Yパラメータ

基本的には 「VNAで測るのはSパラメータで、用途に応じてZやYに数学的に変換して使う」 と覚えておくと分かりやすいです。

 

 

 

出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)

 

 

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