対応機種・互換表・注文情報の確認方法

オシロスコーププローブを注文するときは、プローブの性能だけでなく、使用するオシロスコープとの互換性、必要なアダプタ、標準付属品、オプションなどを確認する必要があります。

コネクタが物理的に接続できても、電源、自動認識、帯域幅、オフセット制御などの機能を使用できない場合があります。注文前に最新の互換表と注文情報を確認することが重要です。

 
 
対応機種とは

対応機種とは、メーカーがプローブの接続、動作、測定性能などを確認しているオシロスコープまたは測定器です。

対応機種一覧には、次の情報が記載される場合があります。

・ オシロスコープのシリーズ名
・ 対応する型名
・ 入力チャンネルの種類
・ 必要な変換アダプタ
・ 必要なプローブ電源
・ 最低ファームウェアバージョン
・ 使用可能な帯域幅
・ 利用可能な機能
・ 同時接続可能台数
・ 使用上の制限

同じシリーズでも、帯域幅、チャンネル数、製品世代などによって対応状況が異なる場合があります。

 
 
互換表とは

互換表とは、オシロスコープとプローブの組み合わせについて、接続可否や使用条件を一覧で示した資料です。

英語ではProbe Compatibility Table、Compatibility Guide、Selection Guideなどと表記されます。

互換表では、次のような記号が使用される場合があります。

・ 直接接続可能
・ アダプタを使用して接続可能
・ 外部電源が必要
・ 一部機能に制限あり
・ 帯域幅に制限あり
・ 非対応
・ 動作未確認
・ 特定条件下で使用可能

記号の意味は資料ごとに異なるため、凡例と注記を確認します。

 
 
最新の互換表を使用する

新しいオシロスコープやプローブの発売、ファームウェア更新、製品の生産終了などによって、互換情報は変更される場合があります。

古いカタログや保存済みの資料だけで判断せず、メーカーが公開する最新情報を確認します。

特に次の場合は、最新の互換性確認が必要です。

・ 新しいプローブを既存オシロスコープへ追加する
・ 旧型プローブを新しいオシロスコープで使用する
・ 変換アダプタを使用する
・ 中古製品を導入する
・ ファームウェアを更新していない
・ 生産終了品の代替品を選定する

資料の日付、改訂番号、対象製品世代も確認します。

 
 
機械的互換性

機械的互換性とは、プローブコネクタをオシロスコープ入力へ物理的に接続できることです。

確認すべき項目は、次のとおりです。

・ BNCまたは専用コネクタの種類
・ コネクタの寸法
・ ロック機構
・ 識別接点の位置
・ 周辺チャンネルとの干渉
・ アダプタの取り付けスペース
・ ケーブル出口の方向

物理的に接続できることは、電気的・機能的な互換性を保証するものではありません。

 
 
電気的互換性

電気的互換性では、プローブ出力とオシロスコープ入力の条件が一致していることを確認します。

・ 入力インピーダンス
・ 入力容量
・ 最大入力電圧
・ プローブ出力電圧
・ 信号極性
・ 減衰比
・ 直流または交流カップリング
・ 終端条件
・ プローブ電源電圧
・ 消費電力

例えば、50Ω出力のプローブを1MΩ入力へ接続すると、正しい振幅や周波数特性を得られない場合があります。

 
 
機能的互換性

機能的互換性とは、プローブを接続したときに、自動認識、制御、校正などの機能を利用できることです。

確認すべき機能には、次のものがあります。

・ プローブ型名の自動認識
・ 減衰比の自動設定
・ 単位の自動設定
・ レンジ切替
・ オフセット制御
・ 帯域幅制限
・ ゼロ調整
・ 消磁
・ 自動校正
・ デスキュー設定
・ プローブ状態表示

アダプタを介すると、一部の機能が使用できなくなる場合があります。

 
 
帯域幅の互換性

プローブとオシロスコープを組み合わせた測定帯域は、システム全体の周波数応答によって決まります。

互換表には、特定の組み合わせにおけるシステム帯域幅が記載される場合があります。

確認すべき項目は、次のとおりです。

・ プローブ単体の帯域幅
・ オシロスコープの帯域幅
・ 組み合わせたシステム帯域幅
・ アダプタ使用時の帯域幅
・ 使用アクセサリによる帯域幅
・ 入力レンジごとの帯域幅

高帯域のプローブを接続しても、オシロスコープまたはアダプタによって帯域幅が制限される場合があります。

 
 
入力容量の互換性

パッシブプローブでは、オシロスコープの入力容量がプローブの補正可能範囲に入っていることを確認します。

確認項目は、次のとおりです。

・ オシロスコープの入力抵抗
・ オシロスコープの入力容量
・ プローブの補正可能容量範囲
・ 減衰比
・ 入力チャンネルの種類
・ 使用するBNCアダプタ

入力容量が補正範囲外の場合、調整ネジを回しても正しい方形波にならないことがあります。

 
 
プローブ電源の確認

アクティブプローブ、差動プローブ、電流プローブなどは、動作に電源を必要とします。

電源供給方法には、次のものがあります。

・ オシロスコープの専用インターフェース
・ 専用プローブ電源
・ ACアダプタ
・ USB電源
・ 外部DC電源
・ 内蔵バッテリ

プローブ本体だけで使用できるか、別売電源が必要かを注文前に確認します。

 
 
同時接続台数の確認

オシロスコープに複数の入力チャンネルがあっても、消費電力の大きいアクティブプローブを全チャンネルで同時使用できるとは限りません。

次の条件によって、同時接続台数が制限される場合があります。

・ プローブ電源の総供給能力
・ 各チャンネルの供給電力
・ アダプタの使用数
・ プローブの種類
・ オシロスコープの動作温度
・ 外部プローブ電源の出力数

多チャンネル測定を行う場合は、必要台数を同時に動作させられるか確認します。

 
 
ファームウェアの確認

新しいプローブを旧バージョンのオシロスコープへ接続すると、認識や制御ができない場合があります。

互換表またはリリースノートで、必要なファームウェアバージョンを確認します。

古いファームウェアでは、次の症状が発生する可能性があります。

・ プローブが認識されない
・ 型名が正しく表示されない
・ 減衰比が自動設定されない
・ プローブメニューが表示されない
・ 校正機能を使用できない
・ 特定のレンジを選択できない
・ エラーが表示される

ファームウェア更新手順と、更新後の設定や校正への影響も確認します。

 
 
変換アダプタの確認

プローブとオシロスコープのインターフェースが異なる場合は、変換アダプタが必要になることがあります。

注文前には、次の項目を確認します。

・ 必要なアダプタの型名
・ 対応するプローブ型名
・ 対応するオシロスコープ型名
・ 電源供給の可否
・ 自動認識の可否
・ 使用可能な帯域幅
・ オフセット制御の可否
・ 校正方法
・ 安全上の制限

アダプタが機械接続だけを行うのか、電源や通信も変換するのかを確認します。

 
 
専用インターフェースの世代差

メーカー独自のプローブインターフェースには、複数の世代が存在する場合があります。

外観が似ていても、接点、通信方式、供給電力などが異なり、直接接続できないことがあります。

確認すべき項目は、次のとおりです。

・ インターフェースの正式名称
・ 製品世代
・ コネクタ形状
・ 電源供給能力
・ 通信方式
・ 必要なアダプタ
・ 使用可能な機能
・ システム帯域幅

「同じメーカーだから使用できる」と判断せず、型名単位で確認します。

 
 
注文情報とは

注文情報とは、プローブ本体、アクセサリ、電源、校正サービスなどを正しい構成で発注するための情報です。

注文情報には、次の内容が含まれます。

・ 製品型名
・ モデル番号
・ 帯域幅
・ 減衰比
・ ケーブル長
・ コネクタ形式
・ 標準付属品
・ 選択可能なオプション
・ 必要な別売品
・ 校正サービス
・ 保証内容
・ 地域別仕様

同じ製品名でも、型名や注文番号が複数存在する場合があります。

 
 
型名末尾の記号

製品型名の末尾には、仕様、販売地域、付属品などを示す記号が付く場合があります。

末尾記号によって、次の内容が異なることがあります。

・ 帯域幅
・ 測定レンジ
・ ケーブル長
・ コネクタ
・ 電源コード
・ 言語
・ 校正オプション
・ 安全認証
・ 標準アクセサリ
・ 販売地域

見積書と注文書には、省略せず正確な型名を記載します。

 
 
ケーブル長の選択

同じプローブに複数のケーブル長が用意される場合があります。

長いケーブルは取り回しやすい一方、次の性能へ影響する可能性があります。

・ 帯域幅
・ 信号損失
・ 伝搬遅延
・ 位相特性
・ ノイズ拾取
・ 測定位置の自由度
・ デスキュー補正値

必要な作業距離を確保しながら、できるだけ適切な長さを選択します。

 
 
標準付属品の確認

注文前に、プローブ本体へ含まれる標準付属品を確認します。

・ 入力リード
・ プローブチップ
・ グランドリード
・ グランドスプリング
・ ワニ口クリップ
・ 調整工具
・ 保護キャップ
・ ACアダプタ
・ 電源コード
・ 収納ケース
・ 取扱説明書

製品写真に掲載されているすべてのアクセサリが標準付属とは限りません。

 
 
必要な別売品の確認

標準構成だけでは、測定を開始できない場合があります。

別売となる可能性がある製品には、次のものがあります。

・ 専用プローブ電源
・ インターフェース変換アダプタ
・ 高電圧クリップ
・ PCBはんだ付け式チップ
・ プローブホルダー
・ デスキュー治具
・ 延長ケーブル
・ SMA・BNC変換アダプタ
・ 校正証明書
・ 収納ケース

必要な測定構成を図にすると、部品の注文漏れを防ぎやすくなります。

 
 
アクセサリの互換性

プローブ本体だけでなく、使用するアクセサリも型名単位で互換性を確認します。

確認項目は、次のとおりです。

・ 対応プローブ型名
・ 取り付け部の形状
・ アクセサリ装着時の帯域幅
・ 入力容量
・ 最大入力電圧
・ CAT定格
・ 使用温度範囲
・ 交換部品の入手性

外観が似たアクセサリを無理に取り付けると、接触不良や安全定格の低下につながります。

 
 
校正オプションの確認

校正証明書や試験成績書が必要な場合は、製品注文時に指定することが望まれます。

確認すべき校正関連項目は、次のとおりです。

・ メーカー校正
・ 認定校正
・ 校正証明書
・ 試験成績書
・ トレーサビリティ体系図
・ 測定不確かさの記載
・ 校正対象となるアクセサリ
・ 校正周期

プローブ本体と専用アダプタを組み合わせた状態で校正する必要があるかも確認します。

 
 
地域別仕様の確認

販売地域によって、製品型名、電源コード、安全認証、付属書類などが異なる場合があります。

・ AC入力電圧
・ 電源プラグ形状
・ 電源コード
・ 安全認証
・ 無線規制
・ 表示言語
・ 保証条件
・ 校正書類
・ 輸出入条件

海外向け仕様を国内で使用する場合は、電源と安全規格が適合することを確認します。

 
 
生産終了品の確認

既存プローブが生産終了している場合は、メーカーが案内する後継品または推奨代替品を確認します。

ただし、後継品が旧製品と完全に同じ仕様とは限りません。

比較すべき項目は、次のとおりです。

・ 帯域幅
・ 立上り時間
・ 入力抵抗と入力容量
・ 最大入力電圧
・ 差動レンジ
・ コモンモード範囲
・ CMRR
・ コネクタとインターフェース
・ アクセサリ
・ オシロスコープとの互換性

旧製品用アクセサリを後継品へ流用できるかも確認します。

 
 
代替品選定時の注意点

代替品を選ぶときは、代表的な仕様だけでなく、実際の使用条件を比較します。

・ 同じ測定対象へ接続できる
・ 必要な帯域幅を満たす
・ 入力容量が許容範囲である
・ 電圧・電流定格を満たす
・ 高周波CMRRを満たす
・ 同じオシロスコープで使用できる
・ 必要なアクセサリが入手できる
・ 外形とケーブル長が作業環境に適合する
・ 安全規格とCAT定格を満たす

型名が後継であっても、測定結果の連続性を確認する必要があります。

 
 
中古プローブの互換性確認

中古のプローブを導入する場合は、互換性に加えて、校正状態、損傷、付属品などを確認します。

・ 正確な型名と製造番号
・ 対応オシロスコープ
・ ファームウェア条件
・ 必要なアダプタ
・ 校正履歴
・ 修理履歴
・ ケーブルと絶縁部の状態
・ 標準アクセサリの有無
・ 生産終了後の修理対応
・ 交換部品の入手性

高電圧プローブでは、外観が正常でも絶縁性能が低下している可能性があります。

 
 
互換表にない組み合わせ

互換表に記載されていない組み合わせは、必ずしも使用可能とは限りません。

次の可能性があります。

・ 動作確認が行われていない
・ 機械的に接続できない
・ 電源条件が異なる
・ 性能が保証されない
・ 一部機能が使用できない
・ 安全上使用できない
・ 新製品のため資料が未更新である

自己判断で接続せず、メーカーまたは販売元へ確認します。

 
 
問い合わせ時に伝える情報

互換性や注文構成について問い合わせるときは、次の情報を用意します。

・ オシロスコープのメーカー名
・ オシロスコープの正確な型名
・ ファームウェアバージョン
・ 使用予定のプローブ型名
・ 測定する信号の種類
・ 最大電圧または最大電流
・ 必要帯域幅
・ コモンモード電圧
・ 測定対象の接続形状
・ 必要なプローブ台数
・ 必要な校正書類
・ 使用予定のアクセサリ

測定回路図や接続予定図があると、必要な構成を確認しやすくなります。

 
 
見積書で確認すべき項目

見積書を受け取ったら、次の項目を確認します。

・ プローブ本体の正確な型名
・ 数量
・ 標準付属品
・ 必要なオプション品
・ プローブ電源
・ 変換アダプタ
・ 電源コード
・ 校正サービス
・ 保証内容
・ 納期
・ 後継品または代替品の記載

「一式」とだけ記載されている場合は、具体的な構成品を確認します。

 
 
発注前のチェックリスト

注文を確定する前に、次の項目を確認します。

・ オシロスコープとプローブが対応している
・ 必要なファームウェア条件を満たしている
・ 必要な変換アダプタが含まれている
・ プローブ電源を確保している
・ 同時使用台数に対応できる
・ 必要なシステム帯域幅を満たしている
・ 入力容量と測定負荷が許容範囲である
・ 最大電圧・電流と安全定格を満たしている
・ 必要な入力アクセサリが含まれている
・ 校正書類が指定されている
・ 型名末尾と地域仕様が正しい

注文後の追加購入を減らすため、測定に必要な構成全体を確認します。

 
 
納品後の確認

製品が届いたら、梱包リスト、注文書、見積書を照合します。

・ 型名と型名末尾
・ 製造番号
・ 標準アクセサリ
・ 注文したオプション品
・ プローブ電源とアダプタ
・ 電源コード
・ 校正証明書
・ 外観上の損傷
・ 対応オシロスコープでの認識
・ 基本動作

高電圧や大電流の本測定を開始する前に、安全な低レベル信号で接続と動作を確認します。

 
 
まとめ

対応機種と互換表では、プローブを物理的に接続できるかだけでなく、電源、自動認識、帯域幅、オフセット制御、ファームウェアなどを確認します。

注文情報では、正確な型名、標準付属品、必要なアダプタ、プローブ電源、校正オプション、地域仕様などを確認することが重要です。

最新の互換表を使用し、プローブ本体、オシロスコープ、アダプタ、アクセサリを含む測定システム全体で適合性を判断してください。

 
 
T&Mコーポレーション株式会社の取り扱い製品

T&Mコーポレーション株式会社では、各種オシロスコープ用プローブ、専用プローブ電源、インターフェース変換アダプタ、入力アクセサリ、デスキュー治具、交換部品および校正サービスを取り扱っています。

ご使用中のオシロスコープ型名、ファームウェア、必要帯域幅、測定電圧・電流、使用予定台数に応じて、対応プローブと必要な注文構成をご案内します。生産終了品の後継機種や既存プローブの互換性についても、お気軽にお問い合わせください。

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