標準アクセサリとオプションアクセサリの違い

オシロスコーププローブには、製品本体と一緒に付属する標準アクセサリと、用途に応じて追加購入するオプションアクセサリがあります。

製品写真に掲載されているすべての部品が標準付属するとは限りません。また、アクセサリを変更すると、帯域幅、入力容量、最大入力電圧、安全定格などが変化する場合があります。

 
 
標準アクセサリとは

標準アクセサリとは、プローブ本体を購入したときに、通常の製品構成として付属する部品です。

基本的な測定、調整、保管などに必要なアクセサリが含まれます。

代表的な標準アクセサリには、次のものがあります。

・ プローブチップ
・ フックチップ
・ グランドリード
・ グランドスプリング
・ 入力リード
・ ワニ口クリップ
・ 補正調整工具
・ 保護キャップ
・ カラー識別リング
・ 収納ケース
・ 取扱説明書

実際の付属品は、製品型名や販売地域によって異なります。

 
 
オプションアクセサリとは

オプションアクセサリとは、特定の測定用途、接続方法、使用環境などに合わせて追加購入する部品です。

代表的なオプションアクセサリには、次のものがあります。

・ PCBはんだ付け式チップ
・ 低容量入力チップ
・ 高電圧クリップ
・ 長尺入力リード
・ SMA・BNC変換アダプタ
・ 同軸ケーブル
・ デスキュー治具
・ プローブホルダー
・ 専用プローブ電源
・ インターフェース変換アダプタ
・ 交換用クランプ部品
・ 校正用アクセサリ

標準アクセサリだけでは測定対象へ安全または正確に接続できない場合に使用します。

 
 
標準付属品と製品写真の違い

カタログやウェブサイトの製品写真には、使用例として複数のアクセサリが掲載される場合があります。

写真に含まれていても、次の製品は別売の場合があります。

・ オシロスコープ本体
・ プローブ電源
・ プローブホルダー
・ 収納ケース
・ デスキュー治具
・ 変換アダプタ
・ 特殊入力チップ
・ 延長ケーブル
・ 校正証明書

注文前に「標準付属品」「同梱品」「Included Accessories」などの欄を確認します。

 
 
標準アクセサリの確認方法

標準アクセサリは、次の資料で確認できます。

・ 製品仕様書
・ 注文情報
・ 取扱説明書
・ 製品構成表
・ メーカーのウェブサイト
・ 見積書
・ 納品書
・ 梱包リスト

同じ製品シリーズでも、帯域幅、ケーブル長、地域、セット商品などによって標準構成が異なる場合があります。

型名末尾のオプション記号まで含めて確認することが重要です。

 
 
標準アクセサリの主な目的

標準アクセサリは、一般的な測定を開始するための基本構成として選ばれています。

例えば、パッシブプローブでは、次のようなアクセサリが標準付属する場合があります。

・ 一般測定用フックチップ
・ 短いグランドリード
・ グランドスプリング
・ 補正用調整工具
・ 識別用カラーリング

ただし、標準付属品がすべての測定条件に適しているとは限りません。高速、高電圧、微小信号などの測定では、専用アクセサリが必要です。

 
 
プローブチップの種類

プローブチップは、測定対象へ信号入力を接続する部分です。

用途に応じて、次のような種類があります。

・ 標準針型チップ
・ 交換式チップ
・ スプリング式チップ
・ フックチップ
・ ICテストクリップ
・ 微細ピッチ用チップ
・ はんだ付け式チップ
・ 同軸型チップ
・ 差動入力チップ
・ 高電圧用チップ

先端形状だけでなく、帯域幅、入力容量、最大電圧および安全定格を確認します。

 
 
グランドアクセサリの種類

シングルエンドプローブでは、グランド接続方法が測定波形へ大きく影響します。

代表的なグランドアクセサリには、次のものがあります。

・ 標準グランドリード
・ 短いグランドリード
・ グランドスプリング
・ ワニ口グランド
・ バヨネット式グランド
・ 同軸グランドアダプタ
・ PCBはんだ付け式グランド

高速信号では、長いグランドリードよりグランドスプリングやPCB直結アクセサリが適しています。

 
 
差動入力アクセサリの種類

差動プローブには、測定対象に合わせた複数の入力アクセサリが用意される場合があります。

・ ワニ口クリップ
・ フッククリップ
・ ピン型チップ
・ ツイスト入力リード
・ はんだ付け式リード
・ PCB直結型チップ
・ ブラウザチップ
・ 高電圧入力リード

入力アクセサリを変更すると、帯域幅、CMRR、入力容量、最大電圧などが変化する場合があります。

 
 
高電圧アクセサリ

高電圧測定では、プローブ本体だけでなく、入力リード、クリップ、チップなども測定電圧とCAT区分に対応している必要があります。

代表的な高電圧アクセサリには、次のものがあります。

・ 絶縁ワニ口クリップ
・ 高電圧フック
・ シュラウド付きバナナプラグ
・ 絶縁入力リード
・ 保護キャップ
・ 長尺絶縁プローブチップ
・ 高電圧用収納ケース

一般的な低電圧アクセサリを、高電圧測定へ流用してはいけません。

 
 
電流プローブ用アクセサリ

電流プローブには、接続、電源、固定、校正などに使用するアクセサリがあります。

・ 専用プローブ電源
・ 電源接続ケーブル
・ BNC出力ケーブル
・ インターフェース変換アダプタ
・ デスキュー治具
・ プローブホルダー
・ 交換用クランプ部品
・ 収納ケース
・ 校正用ループ
・ 延長ケーブル

直流対応電流プローブでは、消磁やゼロ調整に対応した電源またはオシロスコープインターフェースが必要な場合があります。

 
 
プローブ電源は標準付属か

アクティブプローブや電流プローブでは、外部電源または専用プローブ電源が必要になる場合があります。

プローブ本体の価格に電源が含まれる製品と、別売の製品があります。

注文前に、次の項目を確認します。

・ 電源が標準付属するか
・ オシロスコープから給電できるか
・ 専用電源が必要か
・ ACアダプタが含まれるか
・ 電源コードの仕様
・ 複数プローブを同時に接続できるか
・ 必要な変換アダプタ

プローブ本体だけを購入しても動作できない場合があります。

 
 
変換アダプタは標準付属か

プローブとオシロスコープのインターフェースが異なる場合は、変換アダプタが必要です。

専用アダプタは別売となる場合が多いため、次の点を確認します。

・ プローブ側のインターフェース
・ オシロスコープ側のインターフェース
・ 対応するアダプタ型名
・ 電源供給の可否
・ 自動認識の可否
・ 使用可能な帯域幅
・ オフセット制御の可否
・ 校正方法

機械的な変換だけでは、電源や通信機能を利用できない場合があります。

 
 
アクセサリによる帯域幅の変化

プローブ本体の帯域幅は、特定の標準チップや接続条件で規定される場合があります。

別のアクセサリを取り付けると、入力リードの寄生インダクタンスや寄生容量によって帯域幅が低下します。

確認すべき項目は、次のとおりです。

・ 標準チップ使用時の帯域幅
・ クリップ使用時の帯域幅
・ 長尺リード使用時の帯域幅
・ PCB直結チップ使用時の帯域幅
・ 変換アダプタを含む帯域幅
・ システム全体の立上り時間

実際に使用するアクセサリ構成で仕様を確認します。

 
 
アクセサリによる入力容量の変化

入力アクセサリを追加すると、プローブの入力容量が増加する場合があります。

高インピーダンス回路や高速信号では、わずかな容量増加でも測定対象へ影響します。

・ 大型クリップ
・ 長尺入力リード
・ 変換アダプタ
・ PCBソケット
・ 複数のプローブ接続
・ 延長ケーブル

低負荷測定が必要な場合は、アクセサリ装着時の入力容量を確認します。

 
 
アクセサリによるCMRRの変化

差動プローブのCMRRは、プラス側とマイナス側の入力経路が対称であるほど高くなります。

長さの異なる入力リードや非対称なクリップを使用すると、高周波CMRRが低下し、コモンモード信号が測定波形へ現れる場合があります。

差動アクセサリでは、次の点を確認します。

・ プラス側とマイナス側の長さ
・ 入力リードの配置
・ アクセサリ使用時のCMRR
・ 周波数に対するCMRR
・ 入力容量のバランス
・ 測定ループの大きさ

高dv/dt環境では、できるだけ短く対称なアクセサリを使用します。

 
 
アクセサリによる最大電圧の変化

プローブ本体が高電圧に対応していても、取り付けるアクセサリの最大電圧が低い場合があります。

例えば、プローブ本体が1,000Vに対応していても、使用するクリップが300V定格であれば、その構成では300Vを超えて使用できません。

確認すべき定格は、次のとおりです。

・ アクセサリの最大動作電圧
・ 差動入力間の最大電圧
・ 各端子から接地までの最大電圧
・ 周波数ディレーティング
・ 測定カテゴリ
・ 過渡過電圧への定格

構成部品の中で最も低い定格が、測定システム全体の上限です。

 
 
CAT定格とアクセサリ

高い測定カテゴリで使用するには、プローブ本体だけでなく、すべての入力アクセサリが該当するCAT定格を備えている必要があります。

CAT IIIやCAT IV環境では、露出金属部を短くする保護キャップが必要になる場合があります。

・ 保護キャップ装着時のCAT定格
・ 保護キャップを外した場合の定格
・ クリップのCAT定格
・ 入力リードのCAT定格
・ アダプタのCAT定格
・ 測定器本体のCAT定格

保護部品を外すと、定格が低下する場合があります。

 
 
対応型名の確認

外観が似ているアクセサリでも、対応するプローブ型名が異なる場合があります。

確認すべき項目は、次のとおりです。

・ 対応プローブ型名
・ プローブシリーズ
・ アクセサリの型名
・ 接続部の寸法
・ 電気的な定格
・ 製品世代
・ 必要な追加アダプタ

無理に取り付けると、プローブチップ、コネクタ、絶縁部などを損傷する可能性があります。

 
 
交換部品と消耗品

プローブチップ、フック、クリップなどは、使用によって摩耗または損傷する場合があります。

代表的な交換部品には、次のものがあります。

・ 交換用プローブチップ
・ フックチップ
・ グランドリード
・ ワニ口クリップ
・ 入力リード
・ 識別リング
・ 保護キャップ
・ クランプ部品
・ バッテリ
・ 収納ケース

交換時には、純正品またはメーカーが指定する対応部品を使用します。

 
 
交換用チップの注意点

交換用チップは、先端形状が似ていても、材質、長さ、直径、入力容量などが異なる場合があります。

指定外のチップを使用すると、次の問題が発生する可能性があります。

・ 接触不良
・ 帯域幅の低下
・ 入力容量の増加
・ 最大電圧の低下
・ 絶縁距離の不足
・ プローブ本体の損傷
・ チップの脱落

交換後は、接触状態とプローブ補正を確認します。

 
 
アクセサリセットとは

メーカーによっては、複数のアクセサリをまとめたセットを用意しています。

代表的なセットには、次のものがあります。

・ 一般測定用アクセサリセット
・ 高速信号用アクセサリセット
・ 高電圧測定用セット
・ PCB接続用セット
・ 自動車測定用セット
・ 交換部品セット
・ プローブチップセット

個別購入より構成をそろえやすい一方、必要なアクセサリがすべて含まれているかを確認します。

 
 
収納ケースの役割

収納ケースは、プローブ本体、チップ、入力リード、調整工具などを保護して保管するために使用します。

高帯域プローブや高電圧プローブでは、ケーブルを小さな半径で巻いたり、重い部品を上へ置いたりすると、性能や安全性へ影響する場合があります。

収納時には、次の点に注意します。

・ 指定された曲げ半径を守る
・ チップへ保護キャップを取り付ける
・ ケーブルを強く締め付けない
・ アクセサリを所定の位置へ収納する
・ 湿気や汚れを除去する
・ 重い物をケース上へ置かない

標準付属かオプションかを注文時に確認します。

 
 
校正証明書はアクセサリか

校正証明書、試験成績書、トレーサビリティ体系図などは、製品とは別のオプションとして注文する場合があります。

確認すべき項目は、次のとおりです。

・ 一般校正または認定校正
・ 校正証明書の有無
・ 試験成績書の有無
・ トレーサビリティ体系図の有無
・ 測定不確かさの記載
・ 校正対象となるアクセサリ
・ 納入後校正または出荷時校正

校正書類が必要な場合は、製品発注時に指定することが望まれます。

 
 
地域による標準構成の違い

ACアダプタ、電源コード、取扱説明書などは、販売地域によって仕様が異なる場合があります。

・ 電源プラグ形状
・ 入力電圧
・ 安全認証
・ 表示言語
・ 付属ケーブル
・ 校正書類
・ 保証条件

海外向け型名を購入する場合は、使用地域で電源と安全認証が適合することを確認します。

 
 
注文前に確認すべき内容

プローブとアクセサリを注文する前に、次の内容を整理します。

・ プローブ本体の正確な型名
・ 使用するオシロスコープ型名
・ 標準付属品一覧
・ 必要なオプションアクセサリ
・ 専用電源の必要性
・ 変換アダプタの必要性
・ 測定点の形状
・ 必要帯域幅
・ 最大入力電圧
・ CAT定格
・ 校正書類
・ 交換部品の入手性

必要な部品を含めた測定システム全体で見積もることが重要です。

 
 
納品時の確認

製品が届いたら、梱包リストと注文内容を照合します。

・ プローブ本体の型名
・ 製造番号
・ 標準アクセサリの数量
・ 注文したオプション品
・ 電源と電源コード
・ 取扱説明書
・ 校正証明書
・ 収納ケース
・ 外観上の損傷

不足品や損傷がある場合は、使用前に販売元へ連絡します。

 
 
アクセサリ使用前の確認

アクセサリを取り付ける前に、次の項目を確認します。

・ 対応するプローブ型名である
・ 最大電圧とCAT定格が適切である
・ 帯域幅が測定に十分である
・ 絶縁部に損傷がない
・ コネクタやチップに変形がない
・ 正しい方向で取り付けている
・ 確実に固定されている
・ 取扱説明書の使用条件を満たしている

高電圧アクセサリは、汚れや水分がない清潔で乾燥した状態で使用します。

 
 
標準品で不足する場合の選び方

標準アクセサリで測定できない場合は、何が不足しているかを明確にしてオプション品を選択します。

・ 接続できない:専用チップやアダプタを選ぶ
・ 帯域幅が不足する:短い低インダクタンスチップを選ぶ
・ 入力容量が大きい:低容量アクセサリを選ぶ
・ 電圧定格が不足する:高電圧対応アクセサリを選ぶ
・ 接触が不安定:はんだ付け式チップやホルダーを選ぶ
・ ケーブルが届かない:指定延長ケーブルを選ぶ
・ 微細端子を測定する:精密チップと位置決め治具を選ぶ

利便性だけでなく、測定性能と安全性を優先します。

 
 
まとめ

標準アクセサリは、プローブ本体と一緒に付属する基本的な部品です。オプションアクセサリは、高速信号、高電圧、微細端子、PCB直結など、特定の測定用途に合わせて追加します。

製品写真に掲載されたすべての部品が標準付属するとは限らないため、仕様書、注文情報、梱包リストなどで同梱品を確認する必要があります。

アクセサリを変更すると、帯域幅、入力容量、CMRR、最大電圧およびCAT定格が変化する場合があります。実際に使用する組み合わせで仕様を確認することが重要です。

 
 
T&Mコーポレーション株式会社の取り扱いアクセサリ

T&Mコーポレーション株式会社では、各種プローブ本体に加え、プローブチップ、グランドリード、高電圧クリップ、PCBはんだ付け式アクセサリ、変換アダプタ、プローブ電源、デスキュー治具、プローブホルダーおよび交換部品を取り扱っています。

使用するプローブとオシロスコープの型名、測定対象、帯域幅、電圧、安全定格に応じて、必要な標準・オプションアクセサリをご案内します。付属品、対応型名、注文構成についても、お気軽にお問い合わせください。

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