インダクタのD/Qとは
インダクタの D(Dissipation Factor:損失係数) と Q(Quality Factor:Q値) は、インダクタの「どれだけ損失が少なく、理想的なコイルに近いか」を評価する重要な指標です。
1. まずQ値とは
インダクタの場合、基本的には

です。
ここで、
- (X_L=2πLf):インダクタのリアクタンス
- (R):インダクタの損失を表す抵抗成分
- (Q):Q値
です。
つまり、リアクタンスに対して抵抗成分がどれくらい小さいかを表しています。
例えば、
- L=10μH
- 周波数 f=1MHz
- ESR相当 R=1Ω
なら、
X_L=2π*1MHz*10μH=62.8Ω
なので、
Q=(62.8/1)=62.8
となります。
Qが大きいほど、高性能なインダクタと考えることができます。
2. D(損失係数)とは?
DはQの逆数として考えることができます。

したがって、

です。例えば、
|
D |
Q |
|
0.1 |
10 |
|
0.01 |
100 |
|
0.001 |
1000 |
つまり、Dは小さいほど良く、Qは大きいほど良いという関係です。
3. インダクタの損失とは?
実際のインダクタは理想的なLだけではありません。
代表的な損失として、
- 巻線の抵抗
- 高周波での表皮効果
- 近接効果
- コア損失
- 端子・電極の抵抗
などがあります。
そのため、実際には
理想インダクタ L + 損失抵抗 R
として考えます。
このRに対して、インダクタとしてのリアクタンス (X_L) がどれくらい大きいかを表したものがQです。
4. インピーダンスアナライザでは非常に重要
インピーダンスアナライザでインダクタを周波数掃引すると、
L → Q → D → インピーダンス → 位相
などを周波数に対して確認できます。
特にQは周波数によって大きく変化します。
例えば、
100 kHz → 500 kHz → 1 MHz → 2 MHz
と周波数を上げていくと、Qが上昇してピークを持った後、高周波側では低下していくことがあります。
これは、周波数上昇によって巻線損失やコア損失、寄生容量などの影響が大きくなるためです。







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